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自分を売れる技術者

仕事というものは単にお金を稼ぐものだと考えれば苦痛にしか感じられませんが、自分の趣味に近いもの、あるいは得意分野であれば報酬を度外視しても楽しいと感じるものです。
したがって個々の職種の労働環境を単純に表現するのは難しいことですが、現状を知ることで、その一端が見えてくることもあります。

一般的にITの労働環境は悪いという声が多く聞かれます。実際には、一般の企業に比べ平均年収も高いのでその他の業種から見れば恵まれているように思えますが、年俸制や裁量労働制が導入されているところが多く、残業代が支払われていないという現実がそう思わせているのかもしれません。
実際には年俸制であってもその年棒に含まれない部分の残業代は支払わなければならないですし、裁量労働制であっても休日出勤や深夜残業などには割り増しが必要とされています。本来の裁量労働制であれば勤務時間も自由であるはずですが、日本の社会でこれらを主張するのは大変難しく、また社員が言いづらいことをいいことに企業もこうしたことを守ろうとはしません。

いわゆる元請けの会社であれば、ある程度の手当てはも困れているのかもしれませんが、2次、3次の下請け会社ともなれば繁忙期での深夜、休日残業が当たり前となりまたその賃金が正当に支払われないというのが実情のようです。また、こうした環境であれば一般的には労働組合などが団体交渉などで改善を求めることがありますが、ITエンジニアは流動性が他の業種と比べ非常に高いため、問題となる前に別の労働環境の良い企業へ移ってしまうので、組合が活躍するということがあまり無いようです。

そもそも技術者というのは個人主義者も多く、団体で何かを勝ち取るといううよりもいかにして自分自身が仕事に満足できるかということに重きを置く傾向が強いので、自分の労働環境を改善するためには、自分自身がその会社にとってなくてはならない存在になるということが一番の近道かも知れません。
もっとも、自分で独立してしまえばこの問題はあっという間に解決するでしょう。